夜8時アヤワスカのセレモニーが始まった。
私と、11歳くらいの子供を連れてやってきた家族と、あとはヨーロッパ風の若い男性達5名くらいが小屋に集まってきた。
前日から20リットルぐらいの鍋でアヤワスカや薬草をグツグツ煮込んで出てきた煮汁は時間をかけこんなに凝縮されて茶色になっていた。
味もそうとう凝縮してそうだ。
ケチュアの血を引く、シャーマン・ドンカシミーオの精霊の歌が響き渡り、各自が順番に処方された分量のアヤワスカをスプーンで何杯か飲む。
私も、スプーン一杯を口の中に入れてもらう。
口の中に漢方薬数十倍のとてつもなく苦く、とんでもない味が広がり、しばらく静かに暗闇のなか、みんなで横になり、何かがおきるのを待った。
しばらくして、胃がムカムカしてくる。
気持ちおなかもゴロゴロ動きだす。
そういえば吐いたり、下痢もするっていってた。
そうこうしているうちに1時間が経つ
一時間たっても別に幻覚は起きない。
ただ頭の中でこんなことを考えていた。
「シャーマンの家にも滞在したし、次は蜘蛛の家にホームスティしょう!まだ蜘蛛の巣に滞在したことのないから。」
ん?なんか変な思考になってる自分にきづく。
しばらく真面目にそのことについて考え込んでいた。
ただなんとなく、目を閉じると明るかったり、いつもよりもより鮮明な夢のようなものを見るけど、ビジョンを見るってそういうことなのかなぁ。。。
目を開けたり閉じたりは自分の意思でできている。
だからビジョンを見たり現実に戻ってきたりのコントロールはできる。
なので少し安心して、今度また参加することがあるとすれば、目的をもってメディテーションに入っておこうと思った。
目を閉じれば、虹色の鮮やかなクレパスで書いたような絵みたいなビジョン。
パステル調のアートの世界。こういう絵は描いたことがないし見たこともない。
(できるだけ世界を似せてAI画像で出してみました。もう少しポップな感じでつる系の植物が多い感じなんです。)
渦巻く虹色の池、そのほとりで、つる系の植物がまるで水の流れのようにものすごいスピードで成長していく。
種や花は存在していなくて、蔓と葉だけの植物が死ぬことなく成長し広がり続ける様子。
なんて綺麗な世界なんだろう。
ビジョンはクレパスのような鮮やかな色彩の世界。
私は、夢の中で成長していく草木や、世界を体験した。
セレモニーに参加している他の人がビジョンをみることができないといってアヤワスカの量を増やしたいと申し出ている。
私はこれ以上具合わるくなりたくないからこのままで良いと告げた。(吐くのが本当に苦手)
2時間がたち、セレモニーの終わりにちかずく。
ドン カシミーロの元、魂の入れかえの儀式に入る。
入れ替え?アヤワスカの終わりのセレモニーかなんかでしょ?と思いきや
ここからがまたすごかった。
ドンカシミーオが、私の頭の登頂から、口に含んだアクアデフロリダの香りと共に息が吹き込まれる。
そのとき…!
私に予想もできない体の変化がおきた。
その香りがとても不快に思えて動かずにはいられない。
気持ちわるいし、体が上下に揺れ始める。
私の中で何かがもがいている。
呼吸が苦しくなり手足がしびれ始めた。
胸元の当てていた手は、力を入れることができなく、私は前かがみにちじこまり、前後に体は大きくゆれた。
これは、アヤワスカよりもやばいかもしれない。。
ゆだんしたら、前屈みに重心を持ってこないと私は意思とは関係なく後ろ側にひっくり返りそうになる。
そしてどこか冷静に自分自身におきている体の変化を眺めていた。
頭頂から浄化の息を吹き込まれ、私の中から何かが出てきたのだ。
代弁すれば、
「気持ち悪いやめてくれ。」
何者かに体を乗っ取られたかのように私も同じく不快に感じた。
ドンカシミーオの歌が終わりになるにつれ私の呼吸は元にもどっていく。
ケチュア語で全く意味はわからないけど歌の終わりで何かが決着がついたようだった。
ドンカシミーオは、私の頭頂に新たな魂とエネルギーを吹き込み蓋をした。
葉のバサバサとなる音とカシミーオの歌声、ジャングルに降り出した雨音が響きわたる。
まるで夢だったかのような、儀式を終え私はまた元の自分に戻ってゆく。
これが初めて体験したアヤワスカの儀式だった。
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